PM2.5などの異物が体内に入ったり、触れたりすると、体内はそれを排除しようとして、せき、涙、鼻水、くしゃみ、目の充血、肌のかゆみなどの反応を起こします。
花粉の場合はこれらの症状はすぐに現れますが、黄砂などの場合は、反応が2〜4日後に起きることがあります。
微粒子がのど・鼻・気管・肺などの呼吸器に沈着すると、呼吸器系・循環器系疾患の原因となり、肺機能が低下したり肺の毛細血管を刺激して呼吸困難や肺気腫などを起こし、肺がんのリスクを高め、命を落とす可能性も出てきます。
また、PM2.5が体内の奥深くに侵入すると、免疫機能に影響を及ぼし、もともと持っている花粉症やぜんそくなどのアレルギーをさらに悪化させる恐れもあります。
通常よりアレルギー症状がひどいと感じる場合は、PM2.5が原因となっている可能性も考えられます。
PM2.5の影響は呼吸器系以外にも及ぶ可能性があります。
2004年から2007年にかけてイギリスで行われた、心筋梗塞で入院した患者15万人強を対象とした調査では、PM2.5に汚染された環境で生活している心筋梗塞患者は、その他の地域で暮らしている心筋梗塞患者に比べて死亡するリスクが高くなるということがわかっています。
さらに、PM2.5のような細かい粒子が血液中に取り込まれると、脳梗塞の発症リスクも高まります。
この他にも、アメリカにある小児病院の研究チームが、PM2.5が成人の2型糖尿病にも影響を及ぼすという研究を発表しています。
マウスをつかった実験では、PM2.5濃度の高い環境に長時間いたマウスの場合、血中の炎症マーカーが上昇することが明らかになっています。