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PM2.5の健康リスク対策とは?|マスクや空気清浄機の選び方など

PM2.5は、健康な方の場合であれば、短期間の外出では健康に影響を及ぼすことはほとんどありません。
しかし、喘息や気管支炎など気管に関する持病を持っている方や体の弱い方は、PM2.5がもたらす健康リスクに十分に注意する必要があります。
 
PM2.5への対策としては、まず、黄砂や花粉などの有害物質に直接さらされる状態を避けることです。
テレビなどで黄砂や花粉の情報をチェックし、有害物質が飛来する恐れのある場所に近づかないようにするか、外に出る際にはマスクを着用し、帰った後は、手洗いやうがいを忘れずに行うように心がけることが大切です。

たとえば、西日本地域の幼稚園には、PM2.5の観測地が高い日には外で園児を遊ばせないなどの対策をとっているところもあります。

ちなみに、マスクを着用する際には、マスクの間に軽く水で湿らせたガーゼやキッチンペーパーを入れるのが効果的。ウイルス対策マスクなど、粒子径の細かいもの向けのマスクを選びましょう。

衣服については、ナイロンや革など、有害物質が付着しても落としやすい、ツルツルした素材のものを選ぶこともポイントです。

集塵機能のある家庭用空気清浄機を使うことも、きわめて有効な予防策です。外から有害物質が室内に入らないよう、窓は常に締め切っておきましょう。

空気清浄機を選ぶ際には、インフルエンザ菌やタバコの煙といった、PM2.5よりも小さいものが取り除けるタイプのものを選ぶようにしましょう。

また、環境省の大気汚染広域監視システム「そらまめ君」が全国のPM2.5濃度を公表しているので、そうした情報をこまめにチェックすることをお勧めします。

PM2.5による健康被害|ぜんそく・動脈硬化・心臓疾患・脳梗塞など

PM2.5などの異物が体内に入ったり、触れたりすると、体内はそれを排除しようとして、せき、涙、鼻水、くしゃみ、目の充血、肌のかゆみなどの反応を起こします。
花粉の場合はこれらの症状はすぐに現れますが、黄砂などの場合は、反応が2〜4日後に起きることがあります。

微粒子がのど・鼻・気管・肺などの呼吸器に沈着すると、呼吸器系・循環器系疾患の原因となり、肺機能が低下したり肺の毛細血管を刺激して呼吸困難や肺気腫などを起こし、肺がんのリスクを高め、命を落とす可能性も出てきます。

また、PM2.5が体内の奥深くに侵入すると、免疫機能に影響を及ぼし、もともと持っている花粉症やぜんそくなどのアレルギーをさらに悪化させる恐れもあります。
通常よりアレルギー症状がひどいと感じる場合は、PM2.5が原因となっている可能性も考えられます。

PM2.5の影響は呼吸器系以外にも及ぶ可能性があります。
2004年から2007年にかけてイギリスで行われた、心筋梗塞で入院した患者15万人強を対象とした調査では、PM2.5に汚染された環境で生活している心筋梗塞患者は、その他の地域で暮らしている心筋梗塞患者に比べて死亡するリスクが高くなるということがわかっています。

さらに、PM2.5のような細かい粒子が血液中に取り込まれると、脳梗塞の発症リスクも高まります。

この他にも、アメリカにある小児病院の研究チームが、PM2.5が成人の2型糖尿病にも影響を及ぼすという研究を発表しています。

マウスをつかった実験では、PM2.5濃度の高い環境に長時間いたマウスの場合、血中の炎症マーカーが上昇することが明らかになっています。

PM2.5とPM10とは何か-その違いと生成原因

PM(Particulate Matter=粒子状物質)2.5PM10は、どちらも燃焼による塵、飛散した土壌、工場などで生じる粉塵、車の排気ガス、花粉の抗原、黄砂など、有害とされる物質を大気汚染物質として扱う際に用いられる呼称です。
アメリカでは1997年に環境基準が設定され、それ以来、世界の多くの地域で大気汚染の指標として用いられています。

PM2.5は、大気中を浮遊している直径2.5μm(マイクロメートル)以下の微粒子を意味する略称です。

PM2.5のサイズは髪の毛の太さの約30分の1と非常に小さく軽量なため、空中での滞留時間や移動距離が長いという特徴をもっています。
また、直径が小さいことから、肺の奥まで到達できるという、きわめて厄介な特性も併せもっています。

PM10は、比較的直径が大きく、気管に進入した際に肺の奥にある狭い場所にひっかかったり、割り込んだりすることができます。

PM2.5が日本で注目されるようになったのは、2013年1月に、福岡市をはじめとする西日本の観測所で通常よりも3倍程度高いPM2.5が観測されたためです。
大陸から偏西風に乗って届いた何らかの汚染物質が原因と考えられ、数値の高さは一過性のものでしたが、これをきっかけに日本国内でPM2.5の存在が知られるようになりました。

PM2.5が問題となっているのは、粒子が小さいため、より肺の奥深くまで入り込むことができ、人体の健康状態に悪影響を与える可能性が高くなるという理由からです。

ちなみに、環境省は2013年2月、「PM2.5に関する専門家会合」を設置し、注意喚起のためのガイドラインを提示しています。
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